- PCVR入門の書①:VRに必要なゲーミングPCのスペックと選び方~予算と使用HMDから最適解を選ぶ
- PCVR入門の書②:HMD(VRヘッドセット)の選び方 トラッキングや解像度の違いなどから選択する←イマココ
PCVRを始めるに当たって必要なものが2つ(場合によっては3つ)あります。
- ゲーミングPC
- HMD(VRゴーグル)
- (ベースステーション+トラッカー)
前回『PCVR入門の書①』ではPCVRをするのに必要なゲーミングPCのスペックと具体的な例を紹介しました。
「VRゴーグル」とも「VRヘッドセット」とも「VRHMD」とも呼ばれるアレですが、今回はそのHMDの種類を分類しながらPCVRをするにはどれがいいのかをまとめていこうと思います。
アダルトVRだけでなくレーシングシミュやVRSNSといったジャンルまで対応している様々なHMDを紹介していきますね。
PCVR用VRヘッドセット・HMD選びのポイント
ヘッドセットを選ぶ前にまずは重要なポイントをおさらいしていきます。
プラットフォームの違い
PCVRと言ってもざっくり6つの種類に分類されます。
- Meta(旧Oculus)
- Pico
- VIVE
- Pimax
- Steam
- Windows MR(サポート終了)
とりあえずざっくり分けてこんな感じに。
Meta

Oculus Rift(2016) / Oculus Go(2018) / Oculus Quest(2019) / Oculus Rift S(2019) / Meta Quest2(2020) / Meta Quest Pro(2022) / Meta Quest3(2023) / Meta Quest3S(2024年)
今もっともメジャーなVRヘッドセットといえば「Meta Quest」です。Oculus Quest2(現Meta Quest2)の発売によってその人気は爆発。今では最もユーザーが多いVRブランドとして有名です。
独自プラットフォームとしてMeta Storeでさまざまなアプリを売っているだけでなく、非公式のアプリもApp Labに沢山あります。
Metaのプラットフォームはもちろんですが、SteamVRも簡単に遊べて同人アダルトVRゲームもほとんどがMeta Questを基準に作られているのが現状。アダルトに興味があるなら「Meta以外買うな!」と断言できますね。
その中でも1台目に買うならMeta Quest3が鉄板と言えるほど盤石な地位を築いています。まさに現VR界の王者でしょう。
どんなニーズにも応えてくれるのがMeta Quest3
Pico

PicoG2-4K(2019) / PicoNeo3Link(2022) / Pico4(2022) / Pico4 Ultra(2024年)
中国の企業Pico Interactiveが手がけていたVRブランド。2021年にはあの若者に人気のTikTokを運営するByteDanceが買収することになりました。
しかし、2023年冬の時点ではByteDanceがVR事業を縮小する方針を決めたことが話題に。「想定していた見積もりは甘く、VR業界はまだ黎明期にある」という結論のもとにその方針を決めたようです。
Picoは独自のプラットフォームを持っていてPico Storeではアプリを色々購入することができます。Metaと比べるとアプリ数は少ないのですが、結局PCVRとして利用すればSteamを使えるのであまり気にする必要もないでしょう。
2022年に発売されたPico4は一時期Meta Quest2のライバル機として勢いがありました。Quest2の値上げによってこちらが注目された流れですね。
現在はスタンドアロンでFANZAにも対応していること、Pico4 UltraとPico motion trackerでお手軽フルトラができるというメリットもあり、VRSNSユーザーの選択肢の1つになっています。
10万円でお手軽フルトラが実現可能なPico4 Ultra
VIVE

HTC VIVE(2016) / HTC VIVE PRO(2018) / HTC VIVE pro Eye(2019) / VIVE Cosmos(2019) / VIVE Cosmos Elite(2020) / VIVE PRO2(2021) / VIVE XR Elite(2023)/ VIVE Focus Vision(2024年)
HTC社のVRヘッドセットといえばVIVEシリーズ。実はVIVEシリーズは台湾のHTC社とアメリカのValve社が共同開発して作られたものになっています。
そんなこともあり、ValveとViveはそれぞれデザインの異なるベースステーションを販売していますが、どちらも互換性があって両方で使うことができます。
現在HTC社は独自プラットフォームを持っていてVIVE PORTでゲームアプリを探すことが可能。そしてこれはVIVEのVR機器限定ではなく、他社のVRヘッドセットでも遊べるようになっているんですよね。
Meta・Valve・WinMRのPCVRでも遊べるのですが、ただどう考えてもSteamに勝てるはずもなく。VIVEユーザーが使うくらいでしょう。
2010年代のVR黎明期には根強いファンが多くいたHTC VIVE。しかし近年は目に見えてMetaに押されている情勢となっております。
Pimax

Pimax4K(2016年) / Pimax8K(2019) / Pimax Crystal(2023) / Pimax Crystal Light (2024年) / Pimax Crystal Super(2025年) / Dream Air(2025年)
2015年に設立された中国のVR企業Pimax。昔から高解像度ディスプレイを手がけるロマン派としてVRマニアから注目されています。
基本的にはほぼ全てPCVR向けのLighthouse式デバイスとして作られていますが、Pimax Crystalは現代の潮流に乗ってインサイドアウト式かつスタンドアロン機能も付随していますが、コンテンツがスカスカなのも否めません。
スタンドアロン機能をとっぱらって簡略化したCrystal Light、そしてCrystal SuperやDream Airといった最先端の高解像度ヘッドセットなどまだまだ進化し続けているPimaxに目が離せませんね。
インサイドアウト式を取り入れつつも、パーツ追加でLighthouse式にできるというオプションが用意されているので、VR中級者からVRマニアまで幅広く対応中です。
「V」がトレードマークのPimaxはグラフィック重視のシムレーサー向け
Windows MR

ACER AH101(2017年) / Samsung Odyssey(2020年) / HP Reverb G2(2021)
Microsoft社が提供する規格。仮想現実(VR)と拡張現実(AR)の両方に対応した複合現実(MR)が売り。とはいえVRとARの端末は基本的にそれぞれ分けられていて、1つの端末で両方使えるわけではありません。(今でこそVR+AR=MR機器は増えていますが、当時はまだ主流のコンシューマー機になかった)
残念ながらWindowsMR規格は2024年にマイクロソフトがサービス終了を正式に発表。「Windows11 24H2」にアップデートするとWindowsMRが接続できなくなる仕様となっています。2026年11月まではこのアップデートさえしなければWindowsMRを使うことは可能なので、ユーザーさんは注意しましょう。(Windows10は今のところ問題ない模様)
WindowsMRプラットフォームの他に、SteamVRに繋げることも可能。なのでサポート終了までは使えないこともないですが、今は新規でHMDを入手するのが難しい状態ですね。
Meta Quest2の時代に高解像度ヘッドセットとして話題になったReverb G2
Steam+その他勢力

Valve Index(2019) / arpara VR Gaming kit(2022年) / Varjo Aero(2022年) / Bigscreen Beyond(2023年) / MeganeX superlight 8K(2024年)
VRにおいて最もメジャーなプラットフォームと言っても差し支えないのがSteam。「Steam VR」はValve社が立ち上げたSteamというPCゲーム販売サイトにある仮想空間ソフトです。
Valveといえばやはり有名なのが「Valve Index」というVRヘッドセットです。Lighthouse式の定番としてVRChatユーザーにかなり愛されているヘッドセットの1つですね。
さて、このSteamのプラットフォームはValve社専用のプラットフォームなのかというと、実はそうではありません。
Steam内で売られているVR対応ゲームはもちろん、別のサイトで売られているVR対応ゲームもSteamVRを経由して遊べるようになっています。(SteamVR対応となっているもの)
SteamVRはOpenVR(旧API)→OpenXR(現API)に対応しています。これは名前の通り、様々なメーカー・プラットフォームのVRヘッドセットで楽しむことができるオープンな規格です。
なのでValveだけでなく、Vive・Meta・Pico・Pimax・WindowsMRなど様々なVRのブランド・プラットフォームでSteamVRを体験することができます。
SteamVRを前提としたヘッドセットは、資金をプラットフォーム構築に全ツッパできない小さな会社によるクラウドファンディングで売られていることが多いです。
「arparaVR」はPCVR専用HMDとオールインワンHMDをクラウドファンディング形式で早期販売しました。しかし、評価としてはお世辞にも良いものではなく、一瞬話題になってすぐに消えましたね。クラウドファンディングでデバイスを買うのは本当に博打。YouTubeでヨイショしてたVRインフルエンサーたちにも問題があります。
インフルエンサーは「数回使って終わり」かつ「先行して無償で提供を受けている」ので、「正確な伝達が難しい」「デメリットを強気で言いづらい」という問題がついてまわります。ヨイショして売れれば次も仕事が来ますからね。
クラウドファンディング形式のものだと必ずしも商品・サービスをゲットできる保証がないのも問題です。具体例を挙げると「HalfDive」は枕のように寝ながら使えるVR機器として注目を浴びましたが、結局クラウドファンディングを中止。開発が頓挫してしまいました。

ハイレベルの映像美によるVR体験ならエルザジャパンから販売されている「Varjo Aero」が候補に。元々30万円クラスのHMDでしたが2023年に値下げされ、Amazonで18万円で買えるようになりました。(現在は生産終了)
これらの勢力は基本的にSteamVRに繋げて遊ぶスタイルなので、ある意味Steam勢力と言えるかもしれません。OpenVR・OpenXRは偉大です。
トラッキング方式の違い
ヘッドセットによってトラッキング方式に違いがあるため、選ぶ際は必ずこの項目をチェックしなければいけません。
トラッキング方式の説明は「PCVR入門の書①」でも説明していますが、今回の記事でもしっかり解説するので読んでみてください。
トラッキング方式は主に2通りあります。細かく見れば3通りですね。
- インサイドアウト方式
- アウトサイドイン方式 (Lighthouse式)
インサイドアウト方式
「インサイドアウト方式」の特徴はヘッドセット内部にカメラが組み込んであるので、外部センサーを必要としない点です。HMDとコントローラーさえあればVRを遊ぶことができます。
メリット
- 安価な傾向にある
- VRで遊ぶのに余計な手間がかからない
- 狭い部屋ならこれで十分
- 現代はこの方式が主流になってきている
デメリット
- トラッキング精度が劣る
- カメラの見えづらい位置(後頭部や背中周辺)のトラッキングが飛ぶことあり
具体例:Meta Quest2・3・Pro / Reverb G2 / Pico4 / Pico4 Ultra / Vive XR Elite / Pimax Crystal Light
アウトサイドイン方式
カバー株式会社 公式noteより引用
「アウトサイドイン方式」の特徴は、ヘッドセット外部にカメラを設置してトラッキングすること。この方式はインサイドアウト方式よりもトラッキング精度が高く、激しい動きについて来れるのが強みです。
具体例を挙げるとホロライブスタジオで導入されている高級赤外線カメラがそれに該当します。身体にマーカーを装着してモーションキャプチャを行っています。カメラがマーカーを撮影して3D位置を計算するシステムです。
メリット
- 正確なトラッキングが可能
- 広範囲の空間をトラッキングできる
- 背中側までトラッキングできる
- 暗い空間でのトラッキングが可能
デメリット
- カメラ設置が必要&面倒くさい
- 費用がめちゃくちゃかかる
- ある程度スペースを確保する必要がある
具体例:ホロライブスタジオ
Lighthouse式

Lighthouse式はアウトサイドイン方式の一種であることは間違いありません。ですが、一般的なアウトサイドイン方式とは似て非なるものであるというのもまた事実。
というのも、Lighthouse式はカメラではなくベースステーションという赤外線レーザー発射装置を設置し、そのレーザーを光センサー内蔵端末(ヘッドセット/コントローラー/トラッカー)が受信し、レーザーの到達タイミングから位置と向きを計算するというもの。
- Lighthouse:レーザースキャンと光センサー。
- 光学式: 反射マーカーとカメラ。一般的なアウトサイドイン。
カメラそのものでトラッキングするアウトサイドイン方式とはこの点で異なり、メリットデメリットにも差が出てきます。
メリット
- インサイドアウト方式よりは高精度
- 本格的なアウトサイドイン方式よりも低費用
デメリット
- ベースステーション設置が必要
- 費用がかかる
- VR業界ではインサイドアウト方式と比べて劣勢
具体例:Valve Index / VIVE PRO2 / Bigscreen Beyond / Varjo Aero / MeganeX /Pimax Crystal Light+フェイスプレート
視野角の違い
引用:MoguLive
視野角とはVRゴーグルをかぶったときに見える領域の広さのことです。スペック表で視野角が大きいほど、周りの景色の情報量を多く獲得できます。現在のVR環境ではこの視野角がHMDを選ぶ上で1つのポイントになってきます。この数値が大きい方が基本的には快適なプレイができると思っておいてOK。
ただここで問題なのが、企業が公表している公式の値と実際の値で差があることが多いということ。
ゴーグルと隙間なく密着して見る場合の数値を公表
→数字を盛れるがやや現実的ではない環境
水平ではなく対角の視野角をこっそり記載
→数字を盛れるが誤解を与えかねない表現
そもそも公表していない
→公表すると不利になるため隠している
そこで今回は海外のデータを参照して実践値をまとめていきます。「VRcompare」や「infinite.cz」のデータを使わせていただいています。
視野角まとめ表
| 機種 | 実際の視野角 |
|---|---|
| Meta Quest2 | 水平 97° 垂直 93 対角 104° |
| Meta Quest3 | 水平 103.8 ±6.6° 垂直 96.4 ±8.8° 対角 110° |
| Meta Quest3S | 水平 97° 垂直 93 対角 104° |
| Pico4 | 水平 100.8 ±8.0° 垂直 98.8 ±8.7° 対角 104° |
| Valve Index | 水平 107.6 ±2.9° 垂直 102.5 ±7.7° 対角 114° |
| VIVE Focus Vision | 水平 116° 垂直 96° 対角 113° |
| Pimax 8K+ | 水平 153.8 ±8.6° 垂直 104.8 ±0.4° |
| Pimax Crystal | 水平 103.8 ±0.7° 垂直 95.0 ±19.6° |
| Bigscreen Beyond | 水平 95.9 ±3.0° 垂直 90.8 ±10.4° |
| Bigscreen Beyond2 | 水平 108° 垂直 96° 対角 116° |
| MeganeX Superlight 8K | 非公表 |
スイートスポットの差
視野角が広ければ快適かというと、必ずしもそんなことがないのがVRデバイスの難しいところ。レンズの広さだけでなくレンズの質そのものが視覚に与える影響も大きい。レンズのスイートスポットは超重要な要素です。
スイートスポット:鮮明で歪みの少ない視界が得られる最適な位置や範囲。レンズによってこの広さに差がある。
一昔前によく見かけたフレネルレンズのヘッドセットはスイートスポットが狭めな印象。パンケーキレンズが搭載されてからは広がりの傾向がありますが、パンケーキレンズでも質に差が出るのが実情です。
実際Pico4とQuest3とQuest Proで比較しても、明確にPico4はレンズの質が悪いことがわかります。
よりクリアなレンズであるガラス製非球面レンズ(Pimax Crystal Light)も、ピントが合えばかなり綺麗な映像を見れますが、スイートスポットがそこまで広くないので、やはり映像美とスイートスポットの広さのバランスは重要です。
その意味ではコンシューマー機であるMeta Quest3がめちゃくちゃ優秀であると言えます。
ディスプレイ解像度の差
VRデバイスの歴史はすなわちディスプレイ解像度の進化の歴史…とも言えます。2019年に発売され、長年愛用され続けてきたValve Indexの解像度は画像の通り。新世代デバイスと比べて明らかに狭いです。
VRデバイスを覗いた時に見える「網目」。これは解像度(スクリーンの密度)が足りていないからこそ見える現象であり、スクリーンドアと呼ばれています。
スクリーンドアの要因
- ピクセル密度(解像度):最も重要。解像度が低いほどピクセル間の隙間が見えてしまう。
- ピクセル構造とサブピクセル配列:ピクセル間のギャップの大きさ。RGBストライプ(LCDに多い)やペンタイル(OLEDに多い)が主流。ペンタイルは隙間が見えやすい。
- レンズとの距離:距離が近いほど粗が目立つ。隙間が見えやすい。しかもレンズによって拡大されて見えるので余計に目立つ。
- ディスプレイ技術:LCDはバックライトによって隙間が目立つこともある。
VRにおいてディスプレイ解像度は綺麗に見えるかどうか大きなウェイトを占めています。しかし注意してほしいのは、ディスプレイ解像度が大きくなる=GPUの負荷が大きくなるということ。
フルHD(1920×1080)からWQHD(2560×1440)へ、WQHDから4K(3840×2160)へ解像度を変えるとGPUの負荷が大きくなるのは一般的なゲームをしているPCゲーマーなら分かるはず。
さて、ここで各VRの解像度を上の比較画像から確認してみましょう。この数値は片目あたりの数値となっています。つまり実際は左目と右目の×2した両目の解像度となっています。
そのことを踏まえて以下の表を確認してみましょう。
| VRデバイス | 解像度の評価 |
|---|---|
| Valve Index | 1440×1600(両目合わせて2880×1600) →4K未満の総解像度 |
| Meta Quest 3 | 2064×2208(両目合わせて4128×2208) →4K相当かそれ以上の総解像度 |
| Pico4 Reverb G2 | 2160×2160(両目合わせて4320×2160) →4K以上の総解像度 |
| Crystal Light | 2880×2880(両目合わせて5760×2880) →4Kの約2倍で6K相当 |
| MeganeX Superlight 8K | 3552×3840(両目合わせて7104×3840) →4Kの約3.3倍で8Kの約82% |
ご覧の通り、VRはグラフィックボード(GPU)の性能がかなり必要となってきます。最新のVRマニア向けヘッドセットは6K相当だったり8Kに近い解像度だったりと、フラグシップ級のグラボが要求されるため、計画的に購入する必要があることを頭に入れておくといいでしょう。
SteamVR:デフォルトで100%設定時に実際の解像度の約1.4倍の面積でレンダリング
Meta:「ピクセル密度」設定で調整可能(1.0〜1.7倍程度)
大きなレンダリングが必要な理由は以下の通り。
- レンズ歪み補正:表示領域より大きな画像をレンダリングし、その後歪み補正を適用する。
- オーバーサンプリング:画質向上のために実際の表示領域より大きくレンダリングし、その後ダウンサンプリングする。
- 視点移動対策:実際の視野よりも広い範囲をレンダリングをすることで、ヘッドトラッキングによる視点移動に対応する。
PPDの差
PPD(Pixels Per Degree):視野角(FOV)1度あたりのピクセル数のこと。
ディスプレイ解像度も重要なのですが、VRの場合は視野角と解像度の2点で大きな関係性があります。解像度が大きくても視野角が狭ければVR体験の質は落ち、視野角が大きくても解像度が小さければば同じくVR体験の質は落ちます。
視野角と解像度を単純に計算したのがPPDであり、この数値が大きいほどVRユーザーが感じる鮮明さに直結します。
視野角が大きければそれに伴った高解像度ディスプレイが必要であり、Pimax8K+やPimax5K+が当時のスペックの数値の印象ほど体験の質が抜けていないのはこれが1つの理由となっています。
| VRデバイス | PPD |
|---|---|
| Valve Index | PPD約11 |
| Meta Quest 2 | PPD約20 |
| Meta Quest 3 | PPD約25 |
| Pico4 | PPD約20 |
| Crystal Light | PPD約35 |
| Bigscreen Beyond2 | PPD約32 |
| Varjo Aero | PPD約35 |
人間の中心視野の分解能は約60PPDとされているので、VRの1つの終着点はその数値に近づくことでしょう。PPDは30PPD以上あれば良質なVR体験が可能ですが、実際にはレンズの質も大きな影響を与えるため、Quest3は見た目以上に活躍できます。
IPD調整機能の差
瞳孔間距離のことをIPDと言います。このIPDがユーザーに一致していないとVR酔いをする原因になります。
最近のHMDにはほぼ必ずIPD調整機能が付いているのでそこまで気にする必要はありません。ただQuest2・3SやPicoNeo3Linkのように3段階でしか調整できないものもあります。
IPD調整の自由度の高いものは高価なHMDに、3段階調整は安価なHMDに付いている機能といった感じです。
リフレッシュレートの差
リフレッシュレート(Hz)はディスプレイ性能の指標の1つであり、1秒間に最大何枚の画像を書き換えることができるのか表す指標です。
例えばゲーミングPCにRTX3090のグラボを積んで120fps(フレームレート)の映像を送り込んでも、HMDのリフレッシュレートが60Hzまでしか対応していない場合、それは60fpsの映像にしかなりません。
ハイスペックなPC環境でVRを遊ぶ予定なら、高リフレッシュレート対応のHMDを選択することをおすすめします。滑らかさは快適さと直結するのでめちゃくちゃ重要な要素。
滑らかな映像にするには?
- 高リフレッシュレート対応のHMDにする
- フラグシップ級のグラボ(RTX4090や5090)搭載PCを利用する
- 画質設定(画質クオリティやレンダリング解像度)を下げる
高fpsを狙うなら解像度は低めにしたほうが有利。つまりディスプレイ解像度が低く高リフレッシュレートに対応しているValve Indexは、VRSNSを遊ぶのに最適だった(過去形)ということですね。
過去形なのは最新のVRヘッドセットと比較してさすがに型落ちスペックだということ。今はグラボも強化されているため、もっと高画質で遊べる選択肢があるということです。
各社コントローラーとSteamVRについて
SteamVRは前述した通り、OpenXRに対応しているので各社のHMD・ヘッドセットで遊べるようになっています。ですが各社によってコントローラーに差異がありますよね。
実際に見比べると、MetaのコントローラーとVIVEのコントローラーで形状に大きな差があるのが分かります。これ、ゲームによって操作性に難が出てしまいそうですよね?
確かにボタンのマッピングに差異が出るため、若干の差が出たりゲーム互換性で差が出ることはあります。物理的な違いによって差が出るのは避けようがありません。
しかし、ほとんどの一般的なVRタイトルは様々なコントローラーに対応するよう設計されています。完全互換性の実現は難しいものの、メジャーなコントローラーは似たようなボタン配置になっていますね。
▲Meta・Pico・Pimaxなど最近はこの形状のコントローラーで統一されている。さらに最近は輪っかの無いものが主流。
インサイドアウト向けのコントローラー
PicoやMeta Questになどに付属してくるコントローラーはそのまますぐに使うことができます。お手軽に遊ぶならこれで十分です。
Lighthouse向けのコントローラー
Lighthouse式のコントローラーは廃れてきていますが、それでも現役最前線なのがIndexコントローラー。指トラッキングが可能でVRCユーザーからは長らく人気を博しています。
残念なことにIndexのHMD本体は手に入るのですがコントローラーが入手しづらく、価格が高騰しているのが残念。これ以外のLighthouse対応コントローラーが息していないので難しい局面になっています。
特殊:グローブ型のコントローラー
SteamVR向けのLighthouse環境が整っているならグローブタイプのコントローラーを用意するとよりVRと現実の動きをリンクさせることができます。
上の画像はUDCAPという最近出たグローブ型のコントローラー。実はこれ、インサイドアウト式のMeta Questでも使用可能なんですよね。グローブのところにトラッカーを装着するのが一般的な使い方ですが、実はMeta Questのコントローラーを付けて遊ぶことも可能。
グローブ型はやはり値段がそれなりに高いので、一般ユーザー向けではなくVRマニア向けですがフルトラでVRCを遊ぶ人ならこういったものに手を出すのもありでしょう。
フルボディトラッキング(フルトラ)をする
VRChatやClusterのようなVRSNS、ビートセイバーのようなVRゲームではフルトラをすることで3Dモデルを自分の体のように動かすことができます。そんなフルトラをするためのアイテムをここでは紹介していきますね。
ベースステーション+VIVEトラッカー
PCVR入門の書①でも紹介したオーソドックスなパターン。Valve・HTC・Pimax社のベースステーション+VIVEトラッカーを用いて全身をトラッキングする方法です。Lighthouse式のトラッキングとして最も馴染み深い組み合わせになっています。
https://twitter.com/mobiusp/status/1549337287267594240?s=21
VIVEトラッカーを複数用意して脚や腰などに装着することでフルトラすることができます。
通常のトラッカーとしてはVIVEトラッカー3.0が最もスタンダード(2025年4月時点)。VIVEトラッカー2.0と比べて小型軽量化されていて充電も長持ち仕様になりました。
トラッカー1個あたりAmazon価格で19,000円といい値段しますが、これを複数用意する必要があります。しかもほとんどの人が5つ以上用意しているのでフルトラ環境を揃えるのにはお金が掛かるんですよね。少なくても両足+腰の3点は欲しいところ。
さらに1つのトラッカーに対し1つのドングル(トラッカーと通信するためのものでUSB接続する)も必要なのでごちゃごちゃします。USB端子をたくさん使うのでUSBハブが必要になりますね。
▲トラッカーの数だけドングルが増える。何点トラッキングするのか事前に計画を立ててUSBハブを買うべき。
こちらはベースステーション2.0。約25,000円で1台購入できますが、トラッキング精度を安定させるには最低2台必要です。高レベルのトラッキング環境を求めるなら4台設置して死角をなくしましょう。
VIVEトラッカー(Ultimate)

通常のトラッカーとしてはVIVEトラッカー3.0がオーソドックスですが、2023年12月にVIVEトラッカーUltimateというものが市場に出回りました。
こちらはインサイドアウト方式のVRヘッドセットで使えるというのが最大の特徴。
ベースステーションが不要でありMeta Questでフルトラを目指すならこちらがおすすめ。 ただしいくつかのチェックポイントがあります。
- VIVE Focus VisionおよびVIVE XR EliteはVIVE Streaming経由でPCVR
- VIVE以外のサードパーティ製VRヘッドセットの場合、VIVE Hub経由で互換性のあるSteamVRコンテンツにアクセス
1つあたり31,000円という価格で最大5つ(+コントローラー)までトラッキングが可能(ドングル使用時)。トラッカー3つ+ドングル1つがセットで91,900円。やはりベースステーション不要という強みが最大のメリットです。
精度という意味でならベースステーション+トラッカー3.0が強い傾向がありますが、ベースステーション不要なタイプのトラッカーでは比較的高い精度でトラッキングが可能となっています。
HaritoraX 2
こちらはHaritoraX2と呼ばれるトラッキングデバイス。ベースステーションがなくてもフルトラできる点が強み。
過去作であるHaritoraXやHaritoraXワイヤレスと組み合わせて使うことも可能になっています。
例えばMeta QuestやReverb G2はインサイドアウト方式ですが、HaritoraX2を装着することでSteamVR利用時に全身フルトラ環境を構築することができます。SteamVRとの連携が必要なので注意。
ベースステーション+多点トラッカーで安定フルトラを目指すと20万円クラスの出費になりますが、HaritoraX2なら拡張も合わせて約55,000円とリーズナブルな価格で抑えることができます。
Uni-motion
こちらもベースステーションは不要なタイプのUni-motion。SteamVRに対応しているデバイスと連携することができます。
トラッキング精度はボチボチですが、このUni-motionの1番の強みは長時間つけっぱで耐久できる点です。最大24時間連続での使用が可能というトラッカーは他にないレベル。
実際はもう少し短くなりますが、ViveトラッカーやHaritoraXよりも長く使えるので、長時間VRSNSの世界に入り浸っていたい人に向いていますね。
Uni-motion Fullのセットでも39,800円とかなりリーズナブル。お金を節約しつつフルトラしたいならこちらが1つの選択肢となります。
Tundra Tracker
小さくて軽量なトラッカーTundra Tracker。こちらはベースステーションを使ってトラッキングするLighthouse式。
またドングルが特殊なドングルで、本来ならトラッカーとドングルは1対1の関係ですが、Tundra Trackerにはスーパードングルがついてきてドングル1つで複数のトラッカーと連携できます。
最大7時間の連続使用が可能。VIVEトラッカーを選ぶかツンドラを選ぶか、その時手に入りやすいものを入手するのが良いかもしれません。併用も可能です。トラッキング精度はベースステーションを使うため良好となっています。
VIVEトラッカーと比較して在庫がない期間が多く、入手しづらいのが難点ですね。
mocopi
SONYが手がけるモーションキャプチャがmocopiです。49,500円で6つのセンサーが付いてきます。
mocopiの特徴ですが、まずベースステーションは使いません。その代わりに対応するスマホを使って連携します。
専用スマホアプリからモーションキャプチャをするため、他のトラッカーとは別ベクトルのものになっていますね。スマホとmocopiがあればいいので、外でフルトラをお手軽にできるメリットがあります。
mocopiを使った例としてホロライブの人たちの動画を見るのがいいかもしれません。
特別トラッキング精度が高いわけではなく値段相応ですが、お手軽感とカジュアル感はダントツですね。
なお、最近は新しくmocopi Proキットが登場しました。こちらは12点のセンサーを用いた「mocopiプロフェッショナルモード」の登場に伴い、『mocopiセンサーデータレシーバー』とmocopi12点がセットになって販売されています。
価格はなんと14,1900円とかなりいい値段ですね。その分トラッキング精度はかなり上がっているので、ベースステーションを使わない精度の高いフルトラを目指しているなら候補に上がります。
Pico Motion Tracker
Pico4Ultraと同時に発売されたPico向けのトラッカー「Pico Motion Tracker」。Picoのヘッドセットを使う場合、こちらのトラッカーを使うことで簡単にフルトラを再現できます。スタンドアロンで使用できること、そしてかなりお手軽価格で入手できるのが強み。
Pico4Ultraとのセット商品は定期的にセールしているため、9万円ほどでヘッドセットとトラッカーを入手できます。
両足用のが11,800円、腰用のが5,900円なのでめちゃくちゃ安い。その上でスタンドアロンのフルトラとしてはぼちぼち悪くないので入門用としておすすめの選択肢ですね。
フルトラのためのトラッカーまとめ
| トラッカー | 解説 |
|---|---|
| 精度: お手軽さ: ベースステーション:要 価格:19,000円(単体) | |
Viveトラッカー(Ultimate) | 精度: お手軽さ: ベースステーション:不要 価格:31,000円(単体) |
Tundra Tracker | 精度: お手軽さ: ベースステーション:要 価格:75,900(4個セット) |
Uni-motion | 精度: お手軽さ: ベースステーション:不要 価格:39,800円(フルセット) |
HaritoraX ワイヤレス | 精度: お手軽さ: ベースステーション:不要 価格:39,999円(6点) |
HaritoraX2 | 精度: お手軽さ: ベースステーション:不要 価格:39,999円(6点) |
mocopi | 精度: お手軽さ: ベースステーション:不要(対応スマホまたはPCが必要) 価格:49,500円 |
Pico Motion Tracker | 精度: お手軽さ: ベースステーション:不要 価格:11,800円+5,900円 ※Picoのヘッドセット向け |
【PCVR用】おすすめのVRヘッドセットはこれ
ここまでPCVR用のVRゴーグルを買う前の前提知識をざっくり理解できたと思います。さて、それではここからおすすめのPCVR用ヘッドセットを紹介していきますね。
1.Meta Quest3

| 項目 | Meta Quest3 |
|---|---|
| 解像度(片眼) | 2064×2208 |
| ディスプレイ | 2 x LCD RGBストライプ |
| レンズ | パンケーキレンズ |
| トラッキング | 6DoF インサイドアウト方式 |
| パススルー | フルカラー 深度センサーあり |
| リフレッシュレート | 最大120Hz |
| IPD調整 | 58~71mm |
| FoV(視野角) | 水平 103.8 ±6.6° 垂直 96.4 ±8.8° 対角 110° |
| ストレージ | 512GB |
| プロセッサ | Snapdragon XR2 Gen2 |
| RAM | 8GB |
| 重量 | 515g |
| オーディオ | 内蔵スピーカーと内臓マイク 3.5mmイヤホンジャック |
| Wi-Fi | Wi-Fi6E対応 Bluetooth5.2対応 |
| リリース日 | 2023年10月 |
| 価格 | 128GB:¥74,800 512GB:¥96,800 |
ポイント解説
Meta Quest2によってVR界隈のトップに躍り出たMeta。その新作となるMeta Quest3が2023年10月に登場しました。今10万円未満のVRヘッドセットを買うならとりあえずこれ買っておけば解決です。
PCVRする方法は公式方法なら「Meta Quest Link」「Air Link」。SteamVRに直接繋ぐなら「Steam Link」という無線アプリも登場しました。
ただ環境が整っているなら今は間違いなく「Virtual Desktop」が最強。RTX4000シリーズとRX7000シリーズなら「AV1」コーデックを選択でき、綺麗な映像を楽しめるのでVRSNSの世界を楽しみたいならやはりQuest3はメジャーな選択肢と言えます。
ちなみに同人VRエロゲを遊ぶ場合、PCVR向けゲームでもやはりMeta Quest専用が多数。エロ目的ならやはりMetaが最強なのでうちのサイトでは基本的に「迷ったらMeta Quest買え!」というスタンスです。
2.Pico4Ultra

| 項目 | Pico4 |
|---|---|
| 解像度(片眼) | 2160×2160 |
| ディスプレイ | 2 x LCD RGBストライプ |
| レンズ | パンケーキレンズ |
| トラッキング | 6DoF インサイドアウト方式 |
| パススルー | フルカラー(2カメラ) |
| リフレッシュレート | 最大90Hz |
| IPD調整 | 58~72mm |
| FoV | 水平:104° 垂直:103° |
| ストレージ | 256GB |
| プロセッサ | Snapdragon XR2 Gen2 |
| RAM | 12GB |
| 重量 | 580g |
| オーディオ | ・内蔵スピーカーと内臓マイク |
| 無線 | Wi-Fi7対応 Bluetooth5.3対応 |
| リリース日 | 2024年9月 |
| 価格 | 256GB:¥89,800 |
ポイント解説
Pico4がパワーアップして帰ってきました。基本構造はPico4のまま一部パーツを強化したバージョンです。PCVRとして使うなら、Wi-Fi7対応の恩恵でVirtual Desktopがより快適に使えるようになっています。
記事をリライト中の2025年4月にちょうどVD接続でのPicoモーショントラッカーに対応。値段を抑えてVRCを筆頭にVRSNSを遊ぶ予定のユーザーならそこそこおすすめの選択肢。
一部VRエロゲには未対応ですが、FANZAも問題なく視聴できるため、Meta Quest3の次に初心者におすすめできるヘッドセットと言っていいでしょう。
3.Meta Quest Pro

| 項目 | Meta Quest Pro |
|---|---|
| 解像度(片眼) | 1832×1,920 |
| ディスプレイ | 2 x LCD RGBストライプ |
| レンズ | パンケーキレンズ |
| トラッキング | 6DoF インサイドアウト方式 アイトラッキング フェイストラッキング |
| パススルー | フルカラー |
| リフレッシュレート | 最大90Hz |
| IPD調整 | 55~75mm |
| FoV | 水平:106° 垂直:96° |
| ストレージ | 256GB |
| プロセッサ | Snapdragon XR2+ |
| RAM | 12GB |
| 重量 | 722g |
| オーディオ | 内蔵スピーカーと内臓マイク 3.5 mmイヤフォンジャック×2 |
| 無線 | Wi-Fi6E対応 Bluetooth5.2対応 |
| リリース日 | 2022年10月 |
| 価格 | 256GB:¥159,500 |
ポイント解説
Quest3が発売されたことによりQuest Proの立場が微妙な位置付けになってしまったのは事実です。しかし、PCVRでVRChatなどを遊ぶ場合は使い分けが可能なので選択の余地が十分にありますね。
なぜならQuest Proにはアイトラッキングとフェイストラッキング機能がついているから。VRSNSでQuest3よりも1つ上の表現が可能になります。
解像度こそMeta Quest2と一緒で旧世代ですが、レンズやディスプレイの質がいいので映像美に対する不快感はありません。むしろ色に関しては十分。
フェイストラッキングやアイトラッキングを求めているけどLighthouse式は求めていない人におすすめできます。問題点はもう生産終了しているので入手経路が限られていることですね。
4.Valve Index

| 項目 | Meta Quest Pro |
|---|---|
| 解像度(片眼) | 1440×1,600 |
| ディスプレイ | 2 x LCD RGBストライプ |
| レンズ | フレネルレンズ |
| トラッキング | 6DoF アウトサイドイン方式(Lighthouse式) |
| パススルー | カラー(960 x 960) |
| リフレッシュレート | 80/90/120/144Hz |
| IPD調整 | 58~70mm |
| FoV | 水平 107.6 ±2.9° 垂直 102.5 ±7.7° 対角 114° |
| 重量 | 約750g |
| オーディオ | Off Earステレオスピーカーと内臓マイク |
| リリース時期 | 2019年4月 |
| 価格 | 全部セット:165,980円 |
ポイント解説
VRSNSでフルトラをするつもりなら定番だったのがValve Index。VRキットのセットを買えば最初からベースステーションも付いてきてフルトラに移行するのが楽チンです。
コントローラーで指トラッキングできること、ディスプレイ解像度が低いことが逆に功を奏して高リフレッシュレート高フレームレートで楽しめること、マイクとスピーカーの音質がいいこと、といったようにVRSNSをするために生まれてきた名機。
しかし流石に時が経ち、このヘッドセットがベストとはもう言えないレベルまで他のヘッドセットが進化しています。
確かにLighthouse対応コントローラーは今でも最前線。ですが本体は明らかに旧世代スペックなので映像美を追求する人は満足できないでしょう。
初心者ならQuest3で十分ですし、映像美を求めるVRマニアなら今はCrystal Light・MeganeX superlight 8K・Bigscreen Beyond 2といった選択肢がありますからね。
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5.Pimax Crystal Light

| 項目 | 解説 |
|---|---|
| 解像度(片眼) | 2880 x 2880 |
| ディスプレイ | QLED + Mini-LED Local dimming対応 |
| レンズ | 非球面ガラスレンズ |
| トラッキング | 6DoF インサイドアウト方式 ※別途アクセサリー購入でアウトサイドイン(Lighthouse式)に変更可 |
| パススルー | 白黒 |
| リフレッシュレート | 最大120Hz(60/72/90/120) |
| IPD調整 | 58~72mm(ハードウェア調整) |
| FoV | 水平:約120°(公式) |
| PPD | 35PPD(公式) |
| 重量 | 約835g(実測値) |
| オーディオ | ・内蔵スピーカー ※別途DMASイヤホンに交換可 ・内蔵マイク |
| VRタイプ | 有線PCVR(DisplayPort+USB-A) |
| 価格 | 本体:116,599円 会員費:一括46,595円または月額2,157円の24回払い |
ポイント解説
Pimax社の手がける高解像度ヘッドセット。元々スタンドアロンにも対応したPimax Crystalから、それらの不要な機能を排除してコンパクトにしたのがこちらのCrystal Light。
この手のヘッドセットとしては比較的安価に入手できますが、本体を入手後に追加で会員費も取られるのだけ注意。実質16万円と考えてOK。
デフォはインサイドアウト方式なのでベースステーション不要で使えますが、ぶっちゃけトラッキング精度は微妙です。精度を求めるならオプションでパーツを追加購入しましょう。
映像美に特化した作りになっていることもあり、確かに澄み渡ったVR体験ができます。ただ、それ以外の部分は平均並みといったところ。
そして映像美はあくまでもスイートスポットに合致した部分で見た場合。Quest3と比べてスイートスポットが狭めなのでそこが意外と気になるんですよね。綺麗なのは間違いないんですけど、その綺麗さを体験できるスポットは少し狭いかも。
VRSNSで使うのもダメではないですが、レースシムやアダルトVRでの活用が活きると思っています。
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6.MeganeX superlight 8K

| 項目 | Meta Quest Pro |
|---|---|
| 解像度(片眼) | 3552 x 3840 |
| ディスプレイ | マイクロOLED |
| レンズ | パンケーキレンズ |
| トラッキング | 6DoF アウトサイドイン方式(Lighthouse式) |
| リフレッシュレート | 90Hz |
| IPD調整 | 58mm-72mm |
| FoV | 非公表 |
| 重量 | 179g |
| オーディオ | 内蔵デュアルマイク |
| リリース時期 | 2025年2月 |
| 価格 | 249,900円 |
ポイント解説
今VRマニアが注目しているVRヘッドセットがこちら。非常にコンパクトな形状で、長時間プレイするユーザーに向いているMeganeX superlight 8K。
今現役のコンシューマーVR機器の中でもトップクラスの解像度を誇り、マイクロOLED採用で発色も優秀。VRSNSにどっぷりハマったユーザーなら憧れる要素が多数詰め込まれたデバイスです。
懸念点としてLighthouse式なのでベースステーションが必須。そしてコントローラーが付属していないのでVIVEコンやIndexコンを入手する必要があること。前者は形状が古いし後者は入手が難しい(高騰中)。
それと視野角は形状的に狭いです。公式で非公表という手段をとっているのは少しせこい。そこ重要でしょうに隠すんかい。
いい値段しますが、視野角以外は概ね好評のようです。
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7.Bigscreen Beyond 2

| 項目 | Meta Quest Pro |
|---|---|
| 解像度(片眼) | 2,560×2,560 |
| ディスプレイ | マイクロOLED |
| レンズ | パンケーキレンズ |
| トラッキング | 6DoF アウトサイドイン方式(Lighthouse式) アイトラッキング(オプションで追加) |
| リフレッシュレート | 90Hz |
| IPD調整 | 53~70mm |
| FoV | 公表値116°(対角) 水平108° 垂直96° |
| 重量 | 107g(ストラップを除く) |
| オーディオ | デュアルマイクアレイ オーディオストラップ(オプション18,900円) |
| リリース時期 | 2025年4月 |
| 価格 | 標準モデル:169,800円 アイトラッキングモデル:19,9800円 |
ポイント解説
小型ハイエンドHMDとして注目を浴びているのはMeganeXだけではありません。このBigscreen Beyond2もまたコンシューマー機として最高峰のコンパクトさを誇ります。
そしてこの小ささと軽さを実現しながら視野角にも妥協のない仕上がり。これは一線級のハイクオリティパンケーキレンズを採用したことで実現しました。初代よりもスイートスポットが広くなり、弱点部分を克服してきた形となります。
Lighthouse式でアイトラッキングに対応という有能な組み合わせなこともあり、管理人的にはMeganeX superlight 8Kよりも好み。視野角もちゃんと公表していますし。
アイトラッキング対応だと3万円高くなり、さらにヘイローマウントやオーディオストラップを追加すると20万オーバーですが妥当な値段です。
Indexコンさえ持っていれば最先端のLighthouse式ヘッドセットとしておすすめですよ。
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8.VIVE Focus Vision

| 項目 | Meta Quest Pro |
|---|---|
| 解像度(片眼) | 2448 x 2448 |
| ディスプレイ | 2 x LCD |
| レンズ | フレネルレンズ |
| トラッキング | 6DoF インサイドアウト方式 アイトラッキング フェイストラッキング(別途アクセサリ必要) |
| パススルー | カラーパススルー |
| リフレッシュレート | 90Hz(試験的機能で120Hzまで対応) |
| IPD調整 | 57~72mm(自動調整) |
| FoV | 公表値120°(対角) |
| ストレージ | 128GB MicroSD経由で最大2TBまで拡張可能 |
| プロセッサ | Qualcomn Snapdragon XR2 |
| RAM | 12GB |
| 重量 | 約850g |
| オーディオ | デュアルマイク デュアルスピーカー 3.5 mmオーディオジャック |
| 無線 | Wi-Fi6E Bluetooth5.2 |
| リリース時期 | 2024年10月 |
| 価格 | 169,000円 (別途有線ストリーミングキットで有線PCVR化) |
ポイント解説
インサイドアウト方式でフルトラを実現する新たな候補が登場。VIVE Focus VisionはVIVEトラッカー(Ultimate)との連携を簡単に実現するスタンドアロンタイプのヘッドセットです。
スタンドアロン機としてはQuest2世代のSnapdragon XR2だったりフレネルレンズ採用だったりと、169,000円のヘッドセットとしては正直「疑問」と言わざるを得ない部分があります。
そうしたコストカットをしてまで実現したこの機器、本命はやはりフルトラ+アイトラッキング+フェイストラッキング(別途アクセサリが必要)を実現したVRSNSでの実用性でしょう。
SoCはスタンドアロンで使う場合のみ影響を与えるので、PCVRとして使うならぶっちゃけそこが旧スペックなのはスルーできます。ただやはりフレネルレンズなのは視覚体験にマイナスの影響を与えるでしょう。
トラッカー(Ultimate)、PCVR用キット、VIVEフェイシャルトラッカー(Focus向け)を用意すると約30万かかるので、これが安いとは思えませんがVIVEで統一できるのはメリットと言えそう。
公式の無線でPCVRすると劣化するのでDPの有線で繋げたいところ。顔のトラッキングができるのは強みですが、それ以外のところで「惜しい」部分が顔を出しているヘッドセットというのが管理人の感想です。
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まとめ:VRゴーグルは用途によっておすすめが変わる
PCVRを始めるに当たって重要なことは「何をしたいのか?」です。
VRヘッドセットにはそれぞれ特徴があって得意不得意なジャンルがあります。なのでチョイスするべきヘッドセットも人それぞれという答えになります。
それを考慮した上でおすすめするならこちら。
| おすすめVRヘッドセット | |
|---|---|
| エロもゲームもVRSNSもなんでもやりたい | Meta Quest3(コスパ最強) Meta Quest3S(予算少ない人向け) |
| お手軽フルトラ構築 | Pico4 Ultra |
| VRSNS向け | Valve Index(コントローラー高騰中) Meta Quest Pro(入手困難) VIVE Focus Vision |
| VRマニア向け | MeganeX superlight 8K Bigscreen Beyond 2 |
| レーシングシミュ向け | Pimax Crystal Light (アダルトVR動画もイイ) |
基本的にVRデビューするならMeta Quest3が安定。アダルト要素を少し削ってお手軽フルトラを目当てにするならPico4 Ultraもいい選択。
VRヘッドセットの冒険しないなら、結局のところ選択肢はそんなに多くなく、定番のものを選ぶのが正解です。
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月額見放題に入会するメリットは主に3つ。
ラインナップがめちゃくちゃ豊富
旧作を手当たり次第購入するより遥かに安い
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一方でVR見放題唯一のデメリットはというと…
発売後半年から1年半ほど経たないと見放題対象に追加されない
VRは進化速度が凄まじいので、2016~2019年あたりのVR動画は今と比べると微妙に思えるかもしれません。しかし、2020年あたりからVRがググッと力をつけていき、2021年以降のVR動画は撮影技術が洗練され、完成度が高く即戦力になるものが多くなっています。
さらに言うと昔は総合数が少なかったアダルトVR動画ですが、今は圧倒的な数の暴力。ラインナップが魅力的になっています。
そう、2025年今この時がVRの月額見放題に登録するタイミングとしてはベストだということ。これは昔からアダルトVR界隈を観察してきた管理人が保証します。
FANZA VRch| おすすめ度 | |
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Adult FestaVR見放題| おすすめ度 | |
| VR作品数 | |
| クオリティ | |
| 対応デバイス | スマホVR/PCVR/Meta Quest/DPVR-4D/SKYWORTH-4D |
| 月額料金 | ¥2,980 |
TSUTAYA 月額見放題フル| おすすめ度 | |
| VR作品数 | |
| クオリティ | |
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