「令和最新版」といえばAmazonの中華パチモン商品を連想しがちです。しかし『DanceXR』は海外製ながらハイスペックなダンスツールとしてジワジワとユーザー数を増やしている模様。
VR対応ダンスツールといえば昔は『MocuMocuDance』が一世を風靡する…というのは言い過ぎかもしれませんが、VRでMMD向け3Dモデルを踊らせて視聴するならこれが有名でした。
しかし、『MocuMocuDance』は開発者のブログ更新が滞っていてアップデート情報も更新されません。そこで新たなるVR対応のダンスツール『DanceXR』に白羽の矢が立ったのです。
実は『DanceXR』は元々『DanceViewerVR(DVVR)』という名前で知られており、Patreonで数年間稼働していました。なのでユーザーはそこそこ多いはず。
さて、今回はパススルーも含めて『DanceXR』の導入方法と使い方、そしてじっくりプレイしたレビューを書いていこうと思います。自腹でPatreonの一番上のメンバーシップに加入してみたのでぜひ参考にしてみてください。
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Meta Quest2/3やPico4を買った人は①を飛ばしてMeta Store/Pico storeでDMMVRアプリを導入後、②と④を実行すればOK!
DanceXRの導入方法
まずは『DanceXR』の導入方法を画像付きで紹介していきます。ダウンロード方法が複数あるので自分に合った方法を選びましょう。PC向け(VR対応)・Quest単体向け・Pico単体向け・スマホ向けのアプリが用意されています。
プラットフォームを選ぶ
プラットフォームごとの取り扱いバージョンを確認する
Free(Quest) | Pure | Pro | Creator | |
---|---|---|---|---|
Patreon | ||||
Steam | ||||
itch.io |
- Free:無料でダウンロードできる体験版。apkファイルなので「Side Quest」でQuestにサイドロードできる。機能が制限されていて、アクターを1人しか設置できない。
- Pure:基本的にPro版と機能は一緒だが、アダルト向け機能が排除されたバージョン。
- Pro:ほぼ全ての機能が搭載されているバージョン。ただしCreator用の機能はない。
- Creator:Pro版の機能に加え、オフラインレンダリング機能によって今使っているモニターのフレームレートや画面解像度を気にせずに4K60fpsの動画を録画可能。VR180度の動画も生成できる。
- Quest:スタンドアロン向けのapkファイル。Quest版とPico版がある。
それぞれのダウンロード方法の詳細
バージョンによって入手できるプラットフォームが微妙に異なるので確認していきましょう。
Free(無料体験版)
VR Storm Lab(公式)へ飛んで無料版のダウンロードのボタンを押しましょう。するとPatreonの無料版ダウンロードの場所に飛べます。
バージョンは時期によって変わるはず。apkファイルをダウンロードしたら「Side Quest」を使ってMeta Questにサイドロード(インストール)します。
itch.ioでも入手可能。qstがQuest版、picoがPico版ですね。
Pure
Steamで入手可能。アダルト向けの機能が制限されているのであまりおすすめはできません。
Pro
Steamで入手可能。
itch.ioでも入手可能。
Patreonでも入手可能。「$7」だと画質がLWとHDしか選べません。「$10」ならレイトレ対応版(RT)とQuest単体版が入手できるのでそっちの方がおすすめ。
Patreonの場合、最速で最新バージョンを入手できますが、メンバーシップを退会するとアップデートされたバージョンを入手できなくなります。
Steamとitch.ioの買い切り版はアプデが1ヶ月遅れですが、1回買えばアプデをずっと先まで受けることができます。
円安な状態を考えるとSteamで購入するのが無難かもしれません。ただしレイトレ対応版はDLCとして販売されていて、追加で1,000円ほど取られます。
Creator
Patreonでのみ入手可能。動画として保存して他の人に公開したいならこれを入手するといいでしょう。2D・3D・VRでの保存が可能です。
Quest
itch.ioで入手可能。Quest版とPico版が用意されています。
またPatreonで「$10」以上のプランに入っていれば正式なQuest版/Pico版をitch.ioから無料でゲットすることが可能。Patreonとitch.ioのアカウントを連携する手間はありますが簡単なのですぐにできます。やり方は以下の通り。
DanceXRを実際に使う
DanceXRの使い方や機能などを紹介していきます。
3Dモデルやモーションなどを追加する
DanceXRの対応ファイル形式は以下の通り。
項目 | ファイル形式 |
---|---|
モデル(アクター) | PMX(MMD) / XPS |
モーション | VMD / BVH |
これらのファイルを自分で用意してDanceXRの指定フォルダに置くと読み込むことができます。
PC版でファイルを追加する
「DanceXR」のフォルダーを開くと「content」フォルダーがあります。そこを開くと画像のように指定フォルダーが出てくるはず。
3Dモデルなら「actors」フォルダーへ、モーションなら「motion」フォルダーに置きます。
Quest版でファイルを追加する
Side Questを使ってファイルをやり取りします。が、その前に1回DanceXRを起動してから終了する作業をしておきましょう。そうしないと指定フォルダーが自動で作られません。
Meta QuestとPCを繋いでSide Questを起動したら、右上のフォルダーアイコンをクリックしてファイルマネジャーを起動します。
Android > date > com.vrstormlab.dancexr > files > content
とフォルダーを開いていくとPC版と同様の指定フォルダーが現れます。
3Dモデルなら「actors」フォルダーへ、モーションなら「motion」フォルダーに置きます。これで準備は完了です。
MMDが白く表示されてしまう時の対処
例えばどこかでダウンロードしてきた[pmxファイル(モデル)]とそれ用の[テクスチャーが保存されているフォルダー]をQuestに転送するとこんな状態になります。
具体的に見ていきましょう。例えばこの画像のようにpmxファイルとそれ用のテクスチャーフォルダーが混ざった「Chlie_HiSet_1.01」というフォルダーをQuestそのまま転送すると上記のような現象が発生します。
PC版ならこれでも問題なくテクスチャーを読み込んでくれるのですが、Quest版では上手くいきませんでした。
そこで解決策として、pmxとテクスチャーファイルを同じ層にまとめて転送します。
対策後はこのようにテクスチャーを読み込んでくれるので正しくモデルが召喚されます。
ちなみにこの沙花○クロヱモデルはたららたらこ氏のものを採用しています。
物理演算で衣装や髪が暴れてしまう時の対処
例えば公式のMMDホロライブからダウンロードした角巻わためさん(わためぇ)を呼び出すと、衣装や髪の毛が暴れてしまいます。
このままではとても実用できないので、物理演算をOFFにする必要があります。その手順がこちら。
画像はクリックで拡大 | |
---|---|
人アイコンをクリックし、呼び出したモデル→設定→モデル物理学の順番にクリックする。 | |
[PMX物理演算を無効にする]のチェックをONにする。 |
パススルーで現実に召喚する
DanceXRでパススルーを使って現実に召喚する方法は主にこの2通り。
- Quest版(またはPico版)に付いているパススルー機能を使う
- Steam版またはPC版でVirtual Desktopのクロマキー機能を使う
①に関してはツール内の機能を使えばすぐにパススルー可能。
②の場合は地面や空を消去して単色背景にする必要があります。これもツール内の機能で調整できるので比較的簡単に準備が完了します。
Quest版のパススルー機能を使う
Quest版でパススルー機能を使うには、[照明]から[パススルー]の数値を上げるスライダーを最大にします。
綺麗に映らせるにはさらに[背景]の数値を下げます。スライダーで数値を最小にしましょう。これでクッキリとしたパススルーが完成。
PC版またはSteam版でVirtual Desktopのクロマキー機能を使う
MMDホロライブから桃鈴ねね(ねねち)をお借りしました。
PCVRでパススルーするならVirtual Desktopのクロマキー機能を使いましょう。
ツール内の機能で地面や背景を取っ払い、背景色を単色にしたのちVDでその色を指定してクロマキー処理します。
ツール内でこのような状態を作り出し、背景の色をVDで指定して切り抜きます。3Dモデルの色(目・衣服・髪など)と被らないようにしましょう。
エフェクトを発生させる
[パーティクル]の設定から花びら・ほこり・葉っぱを舞わせることが可能です。それだけでなく、雨を降らせてキャラに水滴をつけることもできますね。
レインシェーダーをONにすると実際に雨を降らせることができ、水滴が衣服・肌・髪について「雨の中のライブ」的なものを表現できます。
ライセンスを獲得する(重要)
Pro機能やCreator機能を使うには、ライセンスの獲得が必須となります。(Patreonで入手した場合。Steam版はわかりません。)
やり方は歯車アイコンから[コピーをアクティブ化]をクリックします。少し待つとブラウザが展開され、ライセンスを獲得するためにPatreonとの連携を求められます。これを許可するとライセンスのダウンロードページに行くことができます。
このようなページに飛ぶので、青いボタンをクリックしてライセンスをダウンロードしましょう。ライセンスのファイルをダウンロードしたら、『DanceXR』のexeファイルがあるフォルダーに移します。
画像のようにライセンスを移すことで機能解放。実際にライセンス取得後のゲーム画面を見てみると…。
メニューに赤ポチが出現。Creator版の機能である録画機能が追加されています。
さらにPro機能も追加されて自由度がより高くなりました。
3Dモデル(アクター)を複数展開する
体験版以外ではアクターを複数出演させることができます。ただしこれ、2人以上出現させる方法が微妙に紛らわしい。気づかないと沼るので注意。
DanceXRは文字部分をクリックする時と右側のアイコン部分をクリックする時で表示される項目が変わる仕様になっています。文字部分をクリックしても追加されず、そのモデルが別のモデルに取って代わるだけ。
3Dモデルを追加でロードするときは「+」の部分をクリックしないと新規キャラとして2人目以降出てくれません。追加するなら「+」を押しましょう。
ダンスモーションを割り当てる
【MMD】アイドル新鋭隊 【MMDモーショントレース】を使わせていただきました。 しろたび氏の
ダンスは1つの動きを全員いっぺんに割り当てることができますが、別のダンスやモーションを割り当てることも可能。同時に読み込めるダンスモーションは記事を書いている時点で2つ。
画像はクリックで拡大 | |
---|---|
オーディオ/モーションから1つ目のモーションを読み込む。 | |
オーディオ/モーションから2つ目のモーションを読み込む。この時「2」の部分をクリックする必要あり。 | |
割り当てたいモデルをクリックし、[モーション]から割り当てたいダンスを指定する。 | |
同じダンスを割り当てて、左右逆にしたい場合は指定モデルの[モーション設定]からミラーをONにする。 |
ツール内で衣装パーツを取り外す
DanceXRにはドレッシングシステムが搭載されていて、ツール内で衣装やアクセサリーの着脱が可能になっています。
必要な衣装パーツだけ残せます。ON/OFFすぐに切り替えできるのでめっちゃ便利。
表情を変える
[モーフ]の設定から表情を動かすことができます。グルグル目・シイタケ目・ジト目にしたり、口を動かしたり、眉毛を動かしたり、水着をズラしたり。
レコーディングする
MMDホロライブから沙花叉クロヱをお借りしました。
Creator版専用機能ですが、モデルとダンス(と楽曲)とカメラワークをセッティングしたら録画することができます。
スクリーンショット・2D・3D・VRで記録することができますが、設定によっては数十GBとられるのでストレージの空き容量には気をつけた方がいいかもしれません。
項目 | 内容 |
---|---|
フレームレート | ・24Film ・23.976Film NTSC ・25PAL ・29.97NTSC ・30 HD ・50PAL HD ・59.94NTSC HD ・60 HD |
解像度 | ・SD 512×512 ・768×512 ・768×768 ・FHD 1920×1080 ・21:9 2560×1080 ・QHD 2560×1440 ・UHD 3840×2160 |
VR解像度 (解像度は両目) |
・4K 4096×2048 ・7.2K 7200×3600 ・8K 8192×4096 |
画像形式 | ・JPG ・PNG ・TGA |
実はDanceXRの録画機能、現在は技術的な制限のため画像の連続保存となっています。フォルダにズラリと連番画像が保存されます。
動画にしたいなら画像をビデオ変換するツールを使用しなければいけません。作業に慣れている人ならなんでもいいのですが、DanceXRの公式サイトには「初心者ならFFmpegが推奨」と書かれています。
ぶっちゃけFFmpegは文字の羅列でチンプンカンプンになりがち。説明しているサイトや動画がイマイチなこともあり初心者にはわかりづらいのが本音です。
そこで管理人的におすすめなのが無料でかなり機能を使える動画編集ソフト『DaVinci Resolve』です。一般人なら無料版でお釣りが大量に降ってくるレベルのソフトですね。
1カ所設定を気をつければ連番画像を動画として認識してくれるのでめっちゃ楽。一緒にオーディオ用のファイルもくっ付ければ簡単にダンス動画が完成します。
レビューまとめ
機能がめちゃくちゃ多い
画質がキレイ(PC版)
ほとんどのモデルでボーンを調整せずに綺麗なダンスを踊らせられる
高度な光の調整が可能
毎月更新されるアプデ頻度
機能がありすぎて全体像を把握するまで時間かかる(まずはデスクトップで触ってとにかく慣れる)
レイトレをONにしていると衣装の表示がバグる時あり(レイトレOFFにすれば直る)
レコード機能が連番画像生成なので動画化の手間がかかる
非常に機能が充実した3Dダンスツール
▲gif読み込みに時間かかるかも
Meta Quest3でMRダンスを楽しむコンテンツがいくつかある中で、DanceXRは令和最新版のダンスツールとして毎月進化している強力なコンテンツです。
ダンス+MRといえばカスタムオーダーメイド3D2が有力候補で、自分でエディットしたキャラをカラオケ召喚する楽しさがあります。ムフフなこともできるし。
ただDanceXRと比べた時の弱点として、ダンスの自由度(=選択肢)が高いわけではありません。DanceXRなら自力でモーションを作って導入することができる。
もちろん自作なんてできない人でも、高品質なダンスモーションが配布されているので幅広く楽しむことが可能です。
ほとんど調整がいらない快適なモデル運用が可能に
DanceXRの強みは、その辺の3Dモデルを持ってきてツール内で呼び出し踊らせてもボーンが破綻しないこと。モデルによって手動で微調整が必要になっていた既存のツールと比べてこの点でかなりの優位性があると言えます。
Tポーズモデル・Aポーズモデルどちら向けに作られたモーションであっても、DanceXRでは呼び出したモデルで破綻なく再生できる。ボーン構造をリアルタイムで修正しているので互換性という意味でかなり優れているツールです。
アプデで更なる進化が期待できる
DanceXRでは毎月アップデートが配信されています。Patreonユーザーが最速でアップデートの恩恵を受けれますが、買い切り版にもアップデートが公開されるのでどのプラットフォームで購入しても安心してツールの運用が可能。
機能の追加やパワーアップによって、今はできないけど未来ではもっとすごいことがツール内でできるようになるかもしれません。
MRで現実召喚が簡単にできる
PC版ならVirtual Desktopで、Quest版ならツール内の機能でサクッとパススルーによる召喚が可能です。
特にQuest版はめちゃくちゃ簡単。画質がQuest版だとLW固定なので、画質を求めるならPC版ですが……サクッと召喚してダンスを見るならQuest版がいい感じです。
総評
総合評価はS(星5.0)に決定。
機能が充実しすぎていて、最初はどこにどんな機能があるのかを把握するまで時間がかかるというデメリットがあります。が、これは長い間ずっとアップデートしてきた歴史の蓄積に他なりません。
目の前で可愛い3Dモデルちゃんが自由自在に踊っているのを見られるツールとして、これはかなりの完成度であると断言できます。
高画質で機能モリモリにするとエラー落ちの頻度が上がるので気をつけたいところですが、自動で設定が保存されているのでエラー落ちしたとしてもセットした環境を再現しやすくなっています。
カスタムオーダーメイド3D2とは別に、これはこれでゲットしておきたいVR・MR向けのダンスツールですよ。